昨日のスタッフブログに野田君がSHMーCDについて書いてありましたが、自分はちょっと納得していません、というか反論があります。
これは専務も同じ意見なのですが、普通のCDとSHM-CDの聞き比べの音の差がわざとらしいからです。
確かにSHM-CDの素材の方が音が良いというのは分かりますが、普通のCDの方は本当にベストな録音なのでしょうか?
マテリアルの違いが有るにしろ普通のCDでも録音・ミックスダウン・マスタリングの3工程を全てデジタルで行うDDD方式もあれば録音・ミックスダウンをアナログで行って、最終的にデジタルでマスタリングを行うAADという方法もあります。
また自分と付き合いのある某アーティストの方はデジタルで録音したものをアナログに一度落としてミックスダウンして、さらにデジタルでマスタリングするというDAD方式で録音された方もあります。
今から10数年前に調整用CDで使用していた『天野清継と国分弘子』の3部作『ヘブン』・『ヘブン&ビヨンド』・『アズール』は3枚のCDの録音方法が全て違っていました。(たしかDDD・ADD・DADだった様な・・)
この3部作の特長が全てきちんと再現出来るシステムが良いシステムという事で日々調整に励んでいました。
ジャズとかクラッシックのCDにはこの3つのアルファベットや『○○録音』などと録音方法が記載されているものを多く見かけていましたが、この最近極端にこの手の表記が減ってきました。
最近の録音は凝った方式の物が減ってきているのでしょうか?
それは違います!
たとえば上妻宏光さんの『永遠の詩』『エン』『蒼風』の和の3部作はどこにも表記されていませんが微妙に録音方法が違っています。
またDEENさんのここ数年のCDは徐々に音が良くなっていますが、どこにも『○○方式で録音』と書いてありません。
「いい録音をしているのなら書けばいいのに。」と思われる方も有るとは思いますが、実はどの方式をどの様に組合わせたら音が良くなるか?というのはアーティストにとって独自のノウハウであり好評したくない部分になっています。
先ほどの3工程の組合せの他に『20bit K2』や『DSDマスタリング』や『HDコーディング』などの音を良くする方法がまだあって、しかもそれを2工程重ねた録音もあります。
すると普通のCDに記録する3工程の方法と組合わせると凄い数の組合せが可能で、アルバムごとに微妙に組合せを変えながらベストな録音を目指しているというのが今の音楽業界の状態でしょう。
それとアーティストが録音方式をCDに書かなくなったのは『○○方式だから音がいい』とか『○○方式を使っていないから録音が良くない』などの作品性を無視した無責任な評論家の評論を受けないためではないかと自分は思っています。
話は長くなりましたが普通のCDが最高の録音かどうか分からないために『本当にマテリアルの差だけなのか?』と疑ってしまい、この『SHM-CDの聴き比べで大きな差があった』、というデモはお客さんのオーディオライフにプラスになるかどうかは微妙でしょう。
ピュアディオのスタッフならわざとらしいギャップが付けてある事に気付くぐらいの耳を鍛えてください。(宇部店の数人のお客さんからは普通のCD側が現行でいうベストの状態ではないのでは?という話がありました)
まーその為に火曜日にDEENのボーカルの池森さんに会わせてあげて、直に生声を聞けるんですけどね。
ねぇー、野田君!
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